ハウスクリーニング山代には休みが無い

「ここ毎日ああしてうちの部に来るので後輩の女の子達が怯えてしまって困ってるんです」

「怖いから休むって奴まで出てきてさっぱり練習にならないんだよ。お前の担任だろ?何とかしてくれよ」

「…あの馬鹿。行くぞ、爽太!」

「は〜い!」

爽太と2人で川沿の後ろから「ちょっと」と声をかけると「うわっ、先輩っ!」と川沿は驚いてひっくり返った。

「何してんだおめぇ?」

「弓道部の皆が怖がってるから見学なら普通に見に来た方が良いよ?」

「俺は普通だ!!」

「「異常だよ」」

2人で言い返すとまた背後で黄色い悲鳴が聞こえてきた。

川沿は分かりやすく反応するなり警戒する犬みたいにお尻を上に上げて床に伏せて水野先生をガン見した。

「こりゃ俺らにゃどうにも出来ねぇ」

「鎌本さんのとこ連れてく?」

「その方が早ぇな」

頷き返すと俺は川沿のシャツの後ろの襟を掴んで鎌本さんが料理教室をしてる店までズルズル引っ張ってった。

「ちょっと背が高くてモデルみたいで顔が良いからなんだってんだ!まぁ俺は何とも思ってないがな!わっはっはっ!」

めちゃクソ意識してんじゃねぇか。

「男のくせにやかましいこだ!」

川沿の師匠・鎌本さんはおたまで川沿の頭をポコっと叩いた。

「痛ぇ!だって師匠、あいつさぁ職員室でも女の先生達に囲まれてさぁ…そんでさぁ…」

「風太郎、爽ちゃん、トマト切って〜!」

川沿を連れて来たついでに鎌本さんの料理補佐をする事になった俺と爽太はエプロンに着替えながら「は〜い」と返事した。