ハウスクリーニング山代には休みが無い

「“トリミングぅ”?はぁ!?“健康診断”〜?はぁ!?だったらば、最初っから言えっちゃ、このほんでなすクソじじぃっ!!」

「んまっ!?親さ向かってほんでなすだとっ、このほんでなす息子っ!!」

「あんだが悪いんでねがすべっちゃ!!」

「ほだから何だっつのや!?」

「開き直んでね"っ!!」

バウ"ウ"ゥ"ゥ"ーーーッ!!俺と親父は唸りながら顔を近付け睨み合った。

すると突然ペットショップの非常サイレンがけたたましく鳴り出した。

当然音に驚いたゲージの中のワンちゃんズもうちのもこ以外皆一斉に吠えて騒ぎ出した。

「こんなに騒がしいのにもこは吠えないなんて偉いわねぇ!」

「と言うかもこ陳列棚に置いてあるヤギミルクで作ったわんちゃん用かぼちゃプリン見つめてるよ?」

「頑張ったご褒美に帰りに買って帰りましょう!」

お袋と風呂本兄弟が呑気に話してると、店の入り口から「動くな!この鞄にこの店の有り金全部詰めろ!」と黒い覆面強盗団が入って来て俺達に向かって調理包丁を向けてきた。

「なんだ、ただの強盗かよ」

「元気だっちゃなや」

「黙れこのデブ人参!!」

強盗団のリーダーらしきやつが俺と親父に包丁を突き出してきた。

「デブ人参?」

「俺が人参で親父がデブって事じゃね?」

「そんでデブ人参でねくて、人参デブ”でねぇか。間違えでっぞ、おい」

「どっちでも良いわ!つうか大人しくしろよ!つうか少しはビビれよ!つうかなんでお前ら普通に喋ってんだよ!慌てろよ、オトボケ親子!良いから黙って金詰めろ!」

仕事着(※ハウスクリーニング山代の)を着ていたからか、ペットショップに依頼されて来ていたオトボケ清掃員と間違えられた俺と親父の前に強盗団のリーダーは大きなボストンバックを投げつけた。

親父は黙ってそれを拾うと平然と強盗団のリーダーにボストンバックを投げ返した。

「なんでだよっ!?」強盗団のリーダーがイライラして床を足で殴った。