ハウスクリーニング山代には休みが無い

 冬になると白鳥がやって来る鹿々城大橋(ししがじょうおおはし)の向こうに見える赤い三角屋根の2階建て一軒家、あれは爽太の家だ。

「休日に友人宅に遊びに行くとはなんて学生っぽいんだ!今までの人生で考えられん経験だからわくわくしたおかげでこれまた人生初の睡眠不足になった!」

「おめぇ今までどんな学生時代送ってたんだよ?」

「ぼっちか?」

途中でばったり出会した天也はいつも通り俺に引っ付いて来ていた。

「むっ!?」

初めて爽太ん家を来た長沼の目がメガネから飛び出した。

理由は爽太ん家の2階角部屋(爽太の部屋)がこち亀のどこかの巻で見かけた事あるような図で不自然に傾いていたからだ。

「相変わらずオタクしてるんだな…」と久々に爽太ん家に来た天也が呆れている。

皆ご存知の通り爽太は根っからガンオタだ。

プラモは必ず開封せず保管する用と作って飾る用と作って自由に遊ぶ用の同じのを3箱購入するし、ガンダム関連の書物等はこれまた開封せず保管する用と持ち歩く用の同じのを2冊購入。フィギュアに関しては同じ物を少なくとも10体は買って飾っている。

そういう訳で爽太の部屋はオタ活の重さに耐えきれなくなり傾き始めたのである。

爽太がこの前『お母さんに良い加減片付けないとガンダム捨てるからね!』って怒られたらしい。当たり前だ、あれじゃ近いうち家が崩れる。