ハウスクリーニング山代には休みが無い

ー今日は映画館でぇとする話しだったからさっそく白鳥さんと腕を組んで仲良く映画館に行った……のだが、

「映画なら自宅のスクリーンで観れば良かろうが」

頭に2つタンコブの付いた天也、着いて来た挙げ句、何故俺と白鳥さんの間に座っちまったんだね?

「うふふっ、しんちゃん可愛いです!」

笑いながら夢中で映画を観てる白鳥さんは気になってないみたいだけど、俺はストレスが溜まって映画に集中出来ない。これじゃでぇとじゃなくて仲良しな友人トリオじゃねぇかよ!帰れ天也っ!

「……ははっ、すいません、白鳥さん。俺ちょっとトイレ行ってきます」

「あっ、はい。行ってらっしゃい、山代さん」

「風太郎、どうせ外に出るんだ。帰りにアイスコーヒーを買って来てくれ」

「うっせ!」

暗闇の中、同じ列で鑑賞していた人達に謝りながら館内を出て用を済ませ廊下に出ると、「遅いぞ!」と天也がトイレの前で怒りながら待っていた。

くっ、こいつ、ずっと着いて来やがって俺の事そんなに好きなのか!?ここまでしつこく着いて来られると犬好きなせいもあって天也がめんこく見えてきちまったじゃねぇか、クソボケっ!!

「…待たせてごめんな天也。寂しかったべ?今家さ帰(け)っからな」

「待っとらんわ、馬鹿犬がっ!」

前言撤回、めんこくなかったわ。