ハウスクリーニング山代には休みが無い

「“煩い”ではない!この前の勝負で逃げ出した腰抜けがぁぁ!!」

「声うっさ。あれは逃げたんじゃなくてお前が途中で工事現場の穴に落ちたから先に帰っただけだわ」

「真っ直ぐこっちを見て語るな!お前を見ると傷が疼くだろうが!!」

「じゃあ自分から会いに来んなバカたれ!」

幼い時の勝負で自分で転んで怪我した顔に残った傷痕を手でおさえて苦しみもがいてるアホな天也をほっといて白鳥さんを迎えに歩き出すと「どこに行く気だ!?」と天也がジャイアントコーンを食べながら着いて来た。

歩きながら食うなと注意したいところだが早く天也から離れたかったので無視をつらぬく事にし黙って歩き続けた。

天也はそれでも「待たんか!」、「これ!」、「止まれ!」とキャンキャン吠えながらずっと着いて来る。

無駄吠えの酷い犬には吠えたって要求には応えてもらえない事を学習させるため完全に無視すんのが1番有効的だ。

「ちょっ…待っ…は…はひぃっ!ぜーぜーっ!!風太郎っ、休ませろっ!!」

ゥゥゥウワンッ!!と天也は最後の悪足掻きのごとく締めに唸りながら吠えた。そんでついに吠えるのに疲れ切って舌を出して座り込んだ。

「ほれ」と鞄に入れてたいろはすを仕方なく天也にやると天也は奪うように取って勢いよくゴッゴッゴッと水を飲み干した。

犬だこいつ、間違いねぇや。