ハウスクリーニング山代には休みが無い

このままじゃまずい!早く追いつかないと!

「でもこんなに差をつけられたら…」

小さくなっていく桶川の背中を悔しそうに必死に追いかけていると、どこからかヒュルルルルッ!とクイックルワイパーが飛んで来た。

走りながらキャッチして見てみるとそれは俺のクイックルワイパーだった。

クイックルワイパーの持ち手に貼られたマスキングテープに「フー太郎、これを使いなさい」と書かれてあった。

「いったい誰が…」

クイックルワイパーが飛んで来た方を見上げると学校の屋上に風呂本兄弟が立っていた。バイクまで見える。どうやって屋上までバイクを運んでったが知らないが今回ばっかは奴らに助けられた。

2人を見て頷き返すと2人は笑顔で手を振ってきた。

「これさえあれば俺は無敵だっ!覚悟しろ、桶川っ!」

うおぉっ!!とクイックルワイパーを激しく回転させてそれを風力エンジン代わりにして走った。

距離を縮めていく俺を見て「なんだ、あの技は!?」と桶川が仰天した。そして桶川は驚きすぎて「きゃあ!」と女声をだして転倒した。

「この勝負、俺が貰った!」

俺は桶川を飛び越えて笑顔で華麗にゴールテープを切った。…

                ー「約束通り今日のところは身を引くよ。明日から頑張るから見ときな加賀!」

「あ…はい…」

嬉しくなさそうに頷く爽太を見て「羨"や"ま"じい"ぞ、加"賀じぃ〜!」と長沼は悔しそうにガンダム 柄のハンカチを齧って号泣していた。

「山代先輩さすがだ!熱い勝負だったぜ!」

川沿先生まで感激して夕陽の方を見ながら涙を流していた。

「さすがでした、山代さん!」白鳥さんが俺に抱きついてきた。

「ははっ、白鳥さん、恥ずかしいですよ。皆見てるって言うのに大胆なんですから」

「山代くん、白鳥さんの時だけ調子おかしくなるのなんでなの?」

皆が夕陽に照らされる中、小松さんが不思議そうに呟いた。

爽太にゃ悪いが何て平和な充実した1日だったんだ!

                 #7・おわり。