ハウスクリーニング山代には休みが無い

「ロマンもへったくれもねぇや、ぜーぜー…」

肩で激しく息をしながら何そんなに世の中悲しくて男3人で観覧車に乗ってんだろうと一瞬ガチで泣きそうになった。

「あっSD発見!」

「ゲーム機みたいに呼ぶな爽太クソ野郎」

「山代先輩、あいつら俺らの2つ前に乗ってます!どうしますか!?」

…ちっ、このままじゃ朝になっちまう!!

「…ちっ、このままじゃもこの朝飯に間に合わねぇ!!」

「風ちゃん心の声と逆になってる!」

「もこって何?彼女?」

「うずのズーズーだぁ!!おだづなよっこのクソ怪盗どもが!ワオーーーンッ!!」

俺は雄叫びをあげるとゴンドラの扉をクイックルワイパーで破壊した。

ぶわっ!といきなり入って来た強風に後ろの2人が吹っ飛ばされた。

外に出て観覧車の柱を掴みながら怪盗達の乗るゴンドラに向かって行くと爽太が慌てて俺の足を掴んできた。

「風ちゃん危ないよ!もう絵はいいって!」

「何言ってんだ馬鹿!あれ本当は提出日間に合わなくて小松さんや長沼達に手伝ってもらって居残りしながら一生懸命皆で繋いで描いた大事な絵なんだろ!?俺は手伝い拒否ったからまだ見てないけど、そんな大事な絵なら失くすわけにゃいかねぇだろが!!」

「…風ちゃん、知ってたんだ!」爽太はぐすっと鼻をすすった。「風ちゃんありがとう!頑張って取り返してきて!」

「おうよ!しっかし風強ぇな!」

怪盗達のゴンドラに近付いて行くと「クイックル大した事なかったな」と笑い声が聞こえてきた。

どうやらこの2人どんな目に遭っても構わないらしいので安心した。