ハウスクリーニング山代には休みが無い

「あぁその通りだ。俺は表では教師をしてるが結婚をきっかけに毎月給料日になると嫁に殆ど没収されて苦しくて仕方ないから意を決して今年から始末屋業を副業として始めたんだ。だけど30歳を過ぎてから新人としてこの仕事を始めるのは難しくて悩んでいたら見兼ねたあの伝説の技に裏打ちされた優雅な蝶の動きを活かしつつ広い草原を駆け抜ける風を感じさせる戦術で数々の敵を雑巾たった2枚で片付けてきた鎌本真寿代(かまもとますよ)御年88歳が俺を拾って鍛え上げてくれたんだ。そして修行を終え、俺は今日が始末屋初仕事ってわけなのだ!」

まだ何も言ってなければ聞いてもないのに全部説明してくれたよ、この人…。

「語尾に“なのだ”って付けて喋る人ってアホみたいだよね」

爽太にアホって言われたから本物のアホなんだな川沿先生って。

「頼む2人とも!皆には内緒にしてくれ!いや、内緒にして下さい、山代さんっ!」

ガバッと川沿先生が頭を下げてきたからびっくりした。

「やめてくださいよ、先生!頭なんか下げな…」

「いえ、始末屋としては山代さんの方が大先輩ですから!しかもあの有名なクイックルだったなんて!始末屋クイックルは俺の憧れなんです!こっちの仕事の時は山代先輩と呼ばせてくださいっ!」

とんでもない事になったぞ、こりゃ…。

「まさか川沿先生が表ではお料理の先生をしてる“カマさん”の弟子だったなんて驚いたよ」

「あぁ、本当に。得意料理が“ばっけ味噌”のカマさんの弟子とは…。…分かったよ、川沿先生…いや、川沿!同じ始末屋として俺に着いて来な!」

「はいっ、山代先輩!!」

「掃除の始まりじゃーーーっ!!!」

俺はクイックルワイパー、川沿先生は雑巾2枚、爽太は俺が片付けたゴミを入れるためのゴミ袋を持って怪盗Sと怪盗Mに向かって突撃を開始した。

「おらおらおらおらーーーっ!!!」

俺達は八木山サイクロンやバルーンレース、テレコンバット、メリーゴーランド、コークスクリュー、エアロ5なんかに乗って追いかけっこと言う激しい死闘を繰り返した。

時たまに敵同士だと言う事を忘れてコーヒーカップで鉢合わせた時「やべーな、ベニーランド(笑)」とか言い合っておもいきり楽しんでしまったが爽太の絵を取り返すため俺達は必死で戦った。