ハウスクリーニング山代には休みが無い

「What up!?(どうした!?)」

「I got scummed again!!(また詐欺にあっちゃったよ!!)」

「Enough is enough!!(良い加減にしろっ!!)」

………ーーーいったい俺の親友は何回詐欺に遭ったら気がすむのだろうか?もう逆に詐欺大好きなんじゃないかって思えてくるレベルだ。一度こいつの頭をトンカチでかち割って脳の構造を調べさせてもらいたいぜ。

『この前の美術の授業で応募した俺の絵が入選して展覧会に飾ってもらったんだよ!そしたら“この絵は頂いた。返してほしかったら明日の夜3万円持って八木山ベニーランドに来い”って書き置きが残されていたんだ!』

『安っす』

「こんな奴が描いた絵の何処が良かったんだ?」

大体何描いたかもまだ見てないのにいつもの癖で助けようとクイックルワイパー持って八木山ベニーランドに来ちゃった俺も俺だが…。

マジックペンでどデカくハウスクリーニング山代と書かれた掃除用のバケツを頭に被った隣の爽太を見て自分に呆れてしまった。

「なぁ爽太、お前の絵…」

何描いたか聞こうとしたら真っ暗だった八木山ベニーランドの灯りがパッとついて、宮城県人なら誰もが一回は聞いた事あるCMでお馴染みの“ヤンヤンヤヤ〜八木山の〜♪”の八木山ベニーランドのテーマソングが流れ出した。

「始まった…のかな?」

「なんだってんだよ?」

爽太と2人で辺りを見回していたら遠くの方から緑色のゴーカートが物凄いスピード…じゃなく超低速でこちらに向かってやって来るのが見えてきた。