ハウスクリーニング山代には休みが無い

                 ……ーーー「…やっべぇぞ」

俺と学園のマドンナがカップルなんて!

『待ちやがれ山代ーっ!!俺たちの白鳥さんを返せバッキャローっ!!』

今までずっと平和に普通の一般人として暮らしていた俺の生活が奈落の底に真っ逆様。

学校から出てもしばらく白鳥ファンクラブの奴らに追いかけ回されたからな、家帰ったら始末屋の仕事うんぬんよりさっさとこっちの緊急事態の応急対策を練らねぇと、俺が山代組の若頭だってバレちまうのも時間の問題だ。

「どうにか穏やかに別れる方法を考えねば……」

同じ学校の奴らに会わないように普段は使わない道を歩いて帰っていると晴れてるのに突然パラパラと雨が降ってきた。

「狐の嫁入りってやつか…」

昔からこれに遇うと幸運の前触れだの恋愛成就だの色々言うけど絶対嘘だな。何故なら俺は今絶賛不幸中だからだ。迷信なんか信じねぇ。

はんっと笑ってまた歩きだしたら「やめてください!」と女性の叫び声が聞こえてきた。

「良いじゃん、俺らと遊ぼうぜ?」

時間潰しに見物してやろうと思って声のした方に歩いて行ってみたらチャラそうな野郎共が数人、誰かを囲んでナンパしてるのが見えた。

「暇人はクソな事しかしねぇな」

それを見物してる自分が言えた事じゃないが、思ってたよりつまんなそうだったので帰る事にした。

しかしその時「山代さん!」と聞き覚えのある声が野郎共の方から聞こえたのでつい は? と立ち止まって振り向いてしまった。

「山代さん、助けてください!!」

ナンパされていたのは白鳥さんだった。

「なんだお前?」とガラの悪い野郎共が俺を上から睨んできた。