「弓道部のエースで、うちの学校だけじゃなくて他所の学校の人達からも男女問わず大人気の3組の白鳥菫(しらとりすみれ)さんよ」
「しかも運動だけじゃなく勉強も出来て、期末テストじゃ毎回首位だから先生達からも評判良いんだよね」
「そうそう。あと、白鳥さんの家も確か“大層良いご身分な家”って風の噂で聞いた事あるくらい有名なお家らしいわよ」
なんで実家だけ嫌味っぽく噂が流れてんだ?何してる人なの、白鳥さん家って?
「部活以外はいつも図書室で1人で本読んでてあんまり誰かと一緒に居るとこ見た事ないし、笑ったりしたとこも見た事なかったから私勝手に白鳥さんって物静かでクールな一匹狼ってイメージしてたんだけど、結構情熱的なとこあったのね。びっくりしちゃった」
「確かに!でも俺はなんか白鳥さんも普通の女子高生だったんだなぁってちょっと安心したけどね」
でもまさか好きな相手がこの人とはねぇ…。と、2人が改めて俺を見てきたのでますますイラッとしてきた。
「2人して“なんか微妙”みたいな顔して見てくんな!」
「別にそんな事思ってないって!ただ、風ちゃんを選ぶ人も珍しいなって思っただけで」
「私てっきり白鳥さんは同じ弓道部の部長で3年の山形(やまがた)先輩と付き合ってると思ってた」
「あっ、俺も俺も!」爽太が頷き返した。「ってか皆多分そう思ってたよね、絶対」
「だから余計に山代くんに片思いしてた事に驚いてるのよ、私達。おめでとう、山代くん」
「風ちゃん良かったね、おめでとう!」
「何が?」
ワケわかめ状態で2人に聞き返すとタイミング良く予鈴が鳴った。「あっ、移動教室だった!」と思い出した爽太が慌てて教科書を取りに自分の机に向かって走ってった。
「そうだった!」と小松さんまで慌て出した。



