ハウスクリーニング山代には休みが無い

「加賀!久々に会ったんだからあたしと正式に付き合え!」

「嫌です」爽太はささっと長沼達の後ろに隠れた。

「いつもの日常が帰ってきて先生泣きそうだ!そうだ歌っちゃおう!」

「何故!?」

驚く天也の肩に川沿先生は腕を回して「“朝日輝く栗駒の〜♪”」と馬鹿でかい声で歌い出した。

「また始まった」

俺がため息つくと隣で白鳥さんがクスッと笑った。

「いつもの変わらない風景、平和で楽しいですね、山代さん!」

「ははっ、…そうですね」

いつも通りが一番良い。間違いねぇな。

「……爺ちゃん見てるかなぁ?」

ベランダから空を見上げて呟くと「加賀くん」と俺達の所へ珍しい人物がもじもじしながら恥ずかしそうに頬を赤くして歩いてきた。

白鳥さんに次ぐ我が校の大人気アイドルで爽太が以前から片思いしていたひと美ちゃんだった。

「ひ、ひ、ひとひはんっ!?」

テンパリ過ぎだ爽太。

「ど、どどど、どうしたんですか!?」

爽太が長沼の腕を掴んだまま汗だくになって聞き返した。

「いつもフッてばかりでごめんね加賀くん。私やっと自分の気持ちに気付いたの。私、加賀くんが好き!私と付き合って?♡」

爽太はパタリと気絶し、爽太以外の俺達は全員「えええーーーっ!!?」と驚き叫んだ。

#12・おわり。