ハウスクリーニング山代には休みが無い

               プワップワァ〜…。夜の港に響き渡る船の音、暖かい春風に靡く髪をかきあげて始末用《掃除用》の仕事着であるハウスクリーニング山代と背中にプリントされた青いつなぎのチャックを締めて頭に被ったキャップをきちんと被り直してから4番と書かれた倉庫を開けると以前お会いしたTHE悪党って感じの雰囲気漂わせるガラの悪い男達と久しぶりに睨み合った。

「…まさかまたあんたらに遭うとは思わんかったわ、ハウスクリーニング始末屋・山代の風ちゃんと詐欺師のカモの爽ちゃん」

「…それはこっちの台詞でもあるぜ。詐欺師・……えっと」

「…そういや名乗るのは初めてやな。聞かせてやろう、俺の名はカール・谷山や」

「…食べ物のカス、ペットの毛、ほこりやダニの死骸が沈んでいる汚さ・トイレの4000倍で有名な谷山か」

「誰が長年掃除してないカーペットや!!カール・谷山じゃい!!」

「リーダーヤバいっスよ!またやられたら俺ら今度こそ牢屋でさぁ!!」

「怯むなサブ!!良えか?俺らはあの時の俺らと違う!また山代はんとこと絡む事になった時のために猛特訓したやろ!汗水涙鼻水根性ど根性40歳超えてから中学生の生徒はんらに混ざってボクシングに坂道ダッシュのつらかった日々を思いだせや!」

「リーダー!…ぐすっ、そうっスね!俺らはあの時の俺らと違う!!」

「そうやサブ!だから今度こそ俺らが勝って騙し取った金でハワイ旅行にレッツゴーや!!」

「はいっ、リーダー!!」

「何だか分かんねぇが爽太から騙し取った金は耳を揃えて返してもらう!どっからでもかかってこいや!」

クイックルワイパーをブンッと振り回すとカールがはんっと笑った。

「毎回そのクイックルワイパーでやられる俺らと思うたら大間違いやで!」

カールはバッと拳を上に突き上げた。

「出でよ、金田大蔵(かねたたいぞう)!!」