しばらくすると、私に気付いて、しおりを机の上に置き、手を振る。
…ファンクラブの佐藤さんがずっとこっち見てる。
無視して席につくと、淳が話しかけてくる。
「ねえ、自由行動一緒に…」
「行かない」
そう、ピシャリと言葉をさえぎるように言う。
「だって、一緒に行動する人いないでしょ?」
「いるよ! 遥もいるし、恋だってー…」
「ああ、それなら大丈夫」
大丈夫…って何が!
「二人にはもう頼んでおいたから。 愛と自由行動するなって」
「は…はあっ!?」
な、何勝手な事してくれてんのよ!?
私は驚いて目をパチパチさせた。
「友理さんと恋以外だったら、俺がこのクラスで一番仲いいでしょ?」
「そ…そんなことないけどっ」
実は、その通り。
高校に入っても、実はあまり友達がいない。
こないだ秘密を暴露してからは、話しかけてくれる人が多くなったけど。
それまでの私のイメージって、近寄りがたい感じだったみたい。
「わ、分かったわよっ! 一緒に行動すればいいんでしょ?」
「うん、そうそう」
ニコッと誇らしげに笑う淳。
…なんかムカツク!
それを知った翔ちゃんと陸さんはなんだかショックがってたみたいだけど。
別に、好きで行動するんじゃないんだからね!
……多分。


