気団コンプレックス!

「理科、苦手なの?」

そっと海くんが聞いてくる。
き、気を使われている...。


「う、うん...むかしは楽しくて好きだったんだけど...。」

小学生の頃の実験で、紙の色が変わったり、光の当たり方とか、わくわくしながら見ていた記憶がある。

「なんで、そうなるのとか考えてたりして...。」

どうしてこうなるのかを先生に訊いては、みんなに雑学として披露してたっけ。
今思い返せば、恥ずかしい思い出ばかりだ。

考えれば考えるほど、下を向いてしまう。

「恥ずかしいねっ...。」

あ、どうしよう...ちょっと悲しくなってきた。


「そんなことないよ。」

顔を上げると、海くんの真剣な目と合う。
海のような深くて、やさしい瞳。

「ふうかは、たくさんのことに疑問をもって、自分で納得できるまで調べたんでしょ。それって誇るべきことだと思う。」

ふわっとやさしい笑みになる海くんに心臓が高鳴る。

同時に、自分のやってきたことが認められて――


「って、ごめん。呼び捨てなんてして...」

「ううん、私も勝手に海くんって呼んでるし...。」

...そっか、私のやっていたこと、海くんは認めてくれるんだ。