気団コンプレックス!

「ち、近づかないでください...。」

こういうのはまず離れてから...。

私は後ずさって――派手に転んだ。
床に尻もちをつく。


ど、どうしよう...。そうだ、お母さんを呼んで...!
って、さっきみりんがないとかで、お父さんと買い物に行ったんだった...!

なんでこういうときに限って...!?


今すぐドアを開けて逃げ出したかったけど、残念なことにドアは、私と向かい合ってる三人の後ろにある。

こうなったら、後ろにある窓から逃げるしか...。


「ちょっと待って...!俺達は怪しいものじゃなくて...。」

残念ながら、その時の私には男の子の声が全く耳に入ってこなかった。


もしかして、泥棒(どろぼう)?でもうちに盗むようなものはないと思うし...。
ううん、家に不法侵入した人の気持ちなんて考えても、わかんないよ!

やっぱり、窓からしか...!

「お、落ち着いて!とにかく俺の話を...!」

いよいよ本当に思考が回らなくなった時、男の子の後ろで他の子の声がした。


「ちょっと待って!」

とっても可愛い、男の子とは思えない声。
思わず、立ち止まって振り向くと、いつの間にか近づいてきて何かを渡される。