総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ






「……っ!? これ……!」



言葉を失った。



……そこに映っていたのは昨日の、薄暗い隔離室の中で、私が叶兎くんに襲われている映像。



だけど、何かがおかしい。



私が必死に叶兎くんの正気を取り戻そうと言葉をかけていたところや、叶兎くんが苦しみながらも私を傷つけまいと踏みとどまってくれた場面はことごとくカットされている。


音声も編集されていて、ただただ恐怖を煽るように、悪意を持って編集されたものだった。



「…おそらく、あの男の仕業」



時雨くんが低く冷たい声で呟いた。



「SNSで大炎上してる。…それだけじゃなくて、コメント欄も見て。…「最近の事件は一向に解決されない。本部の対処に問題がある」なんて言い出すやつもいる」



時雨くんが苦渋に満ちた声で促す。

言われるまま画面をスクロールすると、恐ろしい速度で批判のコメントが次々と流れていった。



『怖すぎ。女の子を一方的に襲ってるじゃん』

『本部は何をしてるの?これを放置してたら、いつまた被害が出るか分からないだろ』

『ていうか、この吸血鬼って麗音さんの後継者でしょ? 終わったな、この街』



文字の暴力が、容赦なく画面を埋め尽くしていく。

それを見つめる時雨くんの表情は硬かった。



匿名投稿ばかりだけど、拡散速度が異常。

…誰かが、意図的に火をつけてると言われてもおかしくない。