…圧倒的に、体内の血が足りない。
契約の力で強化された身体だとしても、これほど大量の失血を短時間で補うにはどうしても時間がかかる。
意識の朦朧とする中、一階分上がったところで、パッと視界に外の光が見えた。
「……出口だ。」
夜風が勢いよく吹き込んできた。
外へと繋がる搬入口。
錆びたシャッターが半分開いたままになっている。
外へ出た瞬間、冷たい月明かりが目を刺した。
その時、まばゆいヘッドライトの光が私たちを照らし、一台の黒い車が倉庫の影から滑るように姿を現す。
「こっち!早く!」
運転席から身を乗り出し、天音くんが必死に手招きしている。
車に乗り込む間も、追手の気配は一切なかった。
「……よかった……」
後部座席に運び込まれ、隣で眠る叶兎くんの体温を感じた瞬間。
張り詰めていた糸がぷつりと切れ、私の意識も、深い闇へと落ちていった。


