総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




「……だめ…」



拒絶の言葉が、震える唇からこぼれる。



…血を吸われるのとは、わけが違う。

このままでいてはいけない。



はっきりと拒絶の意思を示すと、私を組み敷いていた叶兎くんの動きがぴたりと止まる。



至近距離で見つめ合う、赤と金の混ざり合った瞳。

そこに、戸惑いと困惑の色が浮かんだ。



なぜ拒んでくるのか──。



理性が溶け落ちた頭では、その理由が理解できない。

そんな表情だった。



「……なんで」



こぼれ落ちたのは、迷子になった子供のような、か細い声。



けれど、もう無理やり襲いかかってくることはなかった。


私の声が、叶兎くんの心の奥底に届いている。

微かに、それでも、確かに。