「……だめ…」
拒絶の言葉が、震える唇からこぼれる。
…血を吸われるのとは、わけが違う。
このままでいてはいけない。
はっきりと拒絶の意思を示すと、私を組み敷いていた叶兎くんの動きがぴたりと止まる。
至近距離で見つめ合う、赤と金の混ざり合った瞳。
そこに、戸惑いと困惑の色が浮かんだ。
なぜ拒んでくるのか──。
理性が溶け落ちた頭では、その理由が理解できない。
そんな表情だった。
「……なんで」
こぼれ落ちたのは、迷子になった子供のような、か細い声。
けれど、もう無理やり襲いかかってくることはなかった。
私の声が、叶兎くんの心の奥底に届いている。
微かに、それでも、確かに。


