総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




私は琥珀が運転する助手席に滑り込んだ。

膝の上に置いた銃が、車の細かな振動に合わせてカチャリ、カチャリと小さな金属音を立てる。


その不穏な音が響くたびに、私の心臓も破裂しそうなほど大きく跳ね上がった。




静かに車が街を抜け、やがて舗装されていない道に入った。

木々が両側から覆いかぶさるように迫ってきて、空が狭くなっていく。



やがて、車が止まった。



目の前に広がっているのは、深い緑に閉ざされた鬱蒼とした森。

そしてその奥に、まるで行く手を阻む墓標のようにコンクリートの建物がひとつ、ひっそりと佇んでいた。



「ここから先は歩き。……地下への入口は東側の排水溝。そこから二百メートルで施設の直下に出るはず」



シートベルトを外し、車を降りながら琥珀が全員を見回した。

その瞳には先ほどまでの軽薄さはなく、ハンターとしての鋭い光が宿っている。



「第二班はここで別れる。」



陽動組は正面から騒ぎを起こし、警備を引きつける。

その間に私たち第一班が地下から潜入する。