フクシュウ

すべての始まりは小学5年生の私・高橋愛実の先輩.......東川瑠璃ちゃんと神谷莉央ちゃんが下校時刻を完全に過ぎて3人で大慌てで廊下を走っていたところ。

バタバタと三人の足音静かな廊下に響く。

遅すぎることもあって、校内は真っ暗だ。

「こ、この時間結構やばいんじゃない....?電気消えてる校舎とか私、初めてかも………(怖)」

「それな...!ちょっと怖いし不気味......瑠璃ちゃんが練習しようって言ったから........」

「ああーごめんねー!もうちょっと練習したかったんだよね.......(泣)」

瑠璃ちゃんが肩を落とす。

瑠璃ちゃんは悪くないよ。

時計が故障してたのに。

と、言ってあげたかったんだけど、走っているからあまり声が出ない。

私達3人は吹奏楽部のクラリネットパートに属している。

その名前はあかね吹奏楽団。

小学校のクラブなんだけど、個性的な人も多くて、作家や本物天然、超絶美少女や大学レベルの頭脳を持つ優等生までいるんだよね。

私はこれと言って得意なところのない陰キャなんだけど、だからといって浮くこともないし、先生も平等に接してくれている。

だけど最近は伊野先生に時間に厳しく言われている。

だからいつも時間に遅れないように細心の注意を払っていたんだけど………。

なんだか今日は時計が故障していることを知らなくて時間を忘れていた。

階段についてスピードを緩めたから、やっと言葉を発することができた。

「瑠璃ちゃんは悪くないよ。時計、故障してたもんね。」

「愛実ちゃーん。ほんとに優しいね〜〜ありがとー!!!」

「そうかな?って言うかそんなこと言ってる場合じゃないって」

「ふふふ〜!」

「『ふふふ〜!』じゃないよ〜!」

私は若干照れくさくなって笑みを浮かべる。

時間に遅れてもどんなときでも和やかなクラリネットパート。

吹奏楽部の中では空気を和ませる雰囲気を作っている。

2人とも、莉央ちゃんはバンド長で、瑠璃ちゃんは書記長で、優しくて可愛くてとってもいい人なんだよね。

こんな居場所でクラブをさせてもらってることに対して、ありがたいなぁ、と思もう。

なーんておもっていたとき、近くでとげのある声が聞こえた。

ん?こんな時間まで残っている人が他にもいたの........?

「なにいってんだよ?いいわけすんなよ!」

「違うって。」

近づくにつれて、それは5人の人影だと分る。

ランドセルが黒色だから男子生徒だ。

あれ......?女子生徒もひとりいる。

だれだろう?

顔が見える距離まで近づく。

女子生徒の顔を覗き込むと.........。

「うわあああ!」

「えッ?」

突然大声をあげられてびっくりしてしまう。

その声の持ち主は.......。