「課長、なんでいるんですか?」 トイレに立った環奈は階段を下りてくる滝本を見て驚いた。 この店は地下にあるのだ。 「いや、家の鍵忘れたんだ。 お前がここにいると聞いたんで――」 「あっ、滝本課長~っ」 と入ってすぐのカウンター席にいた悦子がご機嫌で手を振ってくる。 「みんなー、滝本課長がいらしたから、もう一回、席替えのくじ引きしましょうーっ」 何故っ!? と環奈は思ったが、女子たちは当然のように、 「はーい」 と機嫌よく返事する。