僕らが紡ぐ、不可思議な話。

「じゃ、俺たち、そろそろ失礼しまーす」
「はい。あのっ、本当にありがとうございました! みーくんといぶきっちも、またね!」
「あ、はい、また──」
 充分な別れの言葉も言えないまま、強引にずるずると引きずられて行く。風真の湊の腕を掴む力が強くて、湊は首を傾げた。
 何だかこの強引さ、風真らしくない気がする。それに気のせいかもしれないが、吉岡たちと別れるのを急いでいるように見えた。
 それには伊吹も気づいてるのか、眉を顰めながらも大人しく風真について行く。人気のないグラウンドの隅でやっと止まったと思ったら、風真は湊たちに向き直った。
「──伊吹さぁ」
 いつもとは対照的の、冷たい無表情。
 初めて見たその表情に、湊はひゅっと息を呑む。隣の伊吹も、兄のこの表情は珍しいのか、固まった。
 鋭い緑色の瞳が、湊──否、その隣の伊吹を捉えた。
「呪われてるよね」
(呪、われ……ん?)
 何をやらかした、何を怒られると思えば。
 その言葉に豆鉄砲を食らった鳩みたいな顔になってから、湊は頭の中に「?」を浮かべまくった。