僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 いつもは伊吹だろうが誰だろうが構わずハイテンションで突っ込んでいく吉岡だが、さすがに顔面偏差値億万点ぐらいの男たちに囲まれ小声になってしまっている。
 恐る恐る伊吹からお好み焼きを受け取ろうとした吉岡だが、手に触れた瞬間「痛っ」と手を引っ込めた。
(ん……?)
「どうかしました、吉岡部長?」
「いや……ごめん。静電気、かな?」
「大丈夫ですか? はい、どーぞ」
 風真が改めてお好み焼きを渡し直す。吉岡が無事それを受け取ったのを見て、やっと黒井と三宅が我に返ったらしく、吉岡に駆け寄った。
「大丈夫ですか、吉岡部長?」
「だから言っただろう。転ぶぞって」
「えへへ、ごめんごめん。大丈夫!」
「それにしても……凄いな、伊吹と──」
「初めまして、風真でーす」
「風真さん、か。凄い身体能力だった。吉岡を助けてくださりありがとうございました」
 律儀にぺこりと頭を下げる黒井。「そんなそんな」と笑ってから、風真は伊吹と湊の肩をぽんと叩いた。