僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 まだあの冷たさが身体のどこかに残っている気がして、湊は早く家に帰ろうと足を早ませた。

 *

 湊は息を呑んだ。教室も、ざわざわと騒がしくなる。
 高橋が休んで二日目。ホームルームにて担任が伝えた言葉は、中学生たちを騒がせるには充分なものだった。
 高橋が、一昨日の夜から家に帰っていないらしい。それが担任の発した言葉。
「今は警察と共に調査中だ。誘拐の可能性もあるから、皆さんも気をつけるように。それと、高橋らしき人物や痕跡を見つけたら、すぐに先生か警察に連絡しなさい」
 最後、担任の視線は湊に移る。高橋と今一番仲良いのは湊だと言うことはクラス公認だから、何か知らないのかと問いかけられているようだった。湊はもちろんすぐさま首を横に振る。
 高橋が家に帰っていないことも今、初めて知ったのだ。そんな湊が何か知っているわけがない。
「……朝伝えることは以上だ。一限目の準備をするように」
 ホームルームが終わる。担任が教室から出た途端、教室はわっと話し声に包まれた。