僕らが紡ぐ、不可思議な話。

《またまたぁ、いつもの俺に対する伊吹を見てないから言えるんだよ〜──ってあ、待ってその本人に今聞かれたわごめん切る》
「え、え?」
《おやすみ〜》
 ブチッ
(ほんとに切れた……!)
 湊はぽかんと口を開けながら耳からスマホを離す。
 “アイツさ、ちょっと過去のこと引きずってて”
 頭の中をこだまするのは、さっきの風真の言葉だ。
(過去に何か……あったのかな)
 そういえば、湊は伊吹のことを何も知らない。
 好きなものも、嫌いなものも、他にも、色々。
(今度訊いたら教えてくれるかな)
 案外教えてくれそうでは、ある。
 湊は今度会ったらまず何を訊こうと考えているうちに、深い眠りについた。

 *

 翌日、文化祭の準備真っ最中。
 放課後部活のないクラスメイト達で作業を続けていると、
「みーなーと。迎えに来た」
 伊吹が、湊の教室まで迎えに来た。
 毎日のことだが、未だにクラスメイトは慣れないらしく、ザワっとクラスがざわめく。