僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 笑った時の伊吹はちゃんと、年相応の男子に見える。自分にしか見せないその表情は、少しは信頼してくれてる証なのかな、なんて嬉しく思っていたりしていた。
「あ、じゃあ、また明日」
「ん」
 伊吹と別れる道に着き、手を振ると小さく振り返してくれた。
「あ、そうだ、湊」
「何?」
「そういう所には本物が寄って来やすいから。気をつけろよ」
 にやっと、今度はいたずらっ子みたいな笑顔。
 湊が固まったのを見届けると、伊吹はその笑顔のまま「じゃ」と背中を向けて歩いていく。
 そういう所──とは、まぎれもなくお化け屋敷のことだろう。
(さ、最後に爆弾発言落としてこないでよ……!)
 全くあの男は、と息を着いてから、湊は自分の家へと歩き始めた。

 夜。湊はベッドに寝っ転がった。
(今日も疲れた〜っ)