僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 失恋のことで落ち込んでないといいけど、と思いながら湊は本日数回目の欠伸を噛み殺したのだった。

 時は流れ、あっという間に放課後。高橋が休みだから一緒に帰る相手が居らず、ひとりで教室を出る。
 いや。正確には出ようと、した。
(……あれ)
 廊下へ出る一歩手前。きらきらと粉のようなものが湊の目の前を舞った。
 ラメだろうか。誰かが落としたのか? 湊は首を傾げ廊下へ一歩踏み出す、と。
「っ!」
 急な寒気が、身体を襲ってきた。
 ゾクゾクっと尋常ではない冷気が湊の周りにまとう。
(なんだ……これ)
 クーラーなどが誤作動を起こしてしまったのだろうか。けれど、周囲を見れば、湊以外この寒さを気にしている様子ではない。
 何か……おかしい。そう感じた途端。
 ──おいで。
「……〜っ!?」