僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 付いてきたのだ。湊に。
 もし、数秒でも遅れていれば、伊吹が湊の名前を呼んでくれなければ……? そう考えるだけで、ゾッとする。
「お前は隠れてろ」
「え?」
「お前が居ると話がややこしくなる」
「わ、分かった」
 伊吹の言った通りに、湊は急いで祠から離れ木の後ろに隠れる。
 ゆるゆると顔を上げた少女は、首を傾げた。
「あれ……? あのお兄ちゃんは……?」
「さあな。お前、この山の神か」
 伊吹の声に少女が震える。伊吹が祓い屋だと言うことを理解しているんだろう。
「ご、ごめ、ごめんなさい……っ」
「外の空気吸って頭冷めたか?」
 少女は、意外と普通のトーンの伊吹に不思議そうにした。