僕らが紡ぐ、不可思議な話。

「お兄ちゃんの目と魂、欲しい」
「え?」
 何言ってるんだこの子、と思った直後、少女の頭にぬっと角みたいなものが生えた。
(っ)
 ぱっと湊は少女から離れる。まるで鬼みたいな姿になった少女に、息を呑んだ。
(もしかしてこの子……怪異……っ?)
 ならば「お家」とは、祠のことだろうか。……つまりここは、怪異が宿っている石の中!?
 悪さをしているのは石がなくなって暴れた怪異ではなく、祠に帰れなくなりあの石の中で暴れていた怪異なのだと、湊はようやく理解した。
 後ずさりし、そして駆け出す。怪異から離れないと。
「逃げないで」
 逃げる先が青白い炎で塞がれる。直接当たってはいないけれど、近くにいるだけで熱い。痛い。
 ──シャリン
 すると、手の中にある鈴が音を立てた。その音に反応したのか、火が少し弱まる。
(凄い……)
 ──シャリン、シャリン
 もう二回鳴らすと、その分火が弱まった。その間に湊は火の合間を駆け抜ける。