僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 御神体の石が、伊吹の手から湊に渡った──瞬間。
「わ……!」
  目の前に居たはずの伊吹の姿が消え、その代わり、草原に出た。
(熱……何、ここ)
 否、元は草原だった所、か。周りが炎で燃えていた。
(……っ、石は?)
 手を開くと、石がない。慌ててもう片方の手を開くと鈴はそのまま存在していて、ほっと息をついた。
 ここはどこなのだろう。吉岡たちを探すけど、周りは一面火の海で見当たらない。
 下手に動き回ると大火傷だ。今も、火の粉がチリチリと飛び散り湊の肌に当たる。
「……っ、うぐ、ひっくっ……」
(っ!)
 熱風に流れて聞こえてきた子供の声。泣いている?
 湊はパッと周りを見渡す。すると、人影を見つけた。急いで、けれど慎重に、人影に近づく。
「あの……こんにちは」
「!!」
 子供が顔をあげる。黒髪ロングに着物を来た女の子で、やはり泣いていたのか目に大粒の涙が溜まっていた。