僕らが紡ぐ、不可思議な話。

「あのさ、伊吹は僕のことが嫌いじゃないの?」
「急に何だよ。……さあ? 好きでもねぇのは確かだけど」
 すごく伊吹らしい答えだ。嫌いとも言いきらないけど、あくまで好きではないときっぱり否定する。
「じゃ、なんで僕の近くにいるの? 居心地悪くない?」
「それは、」
 ずんずん踏み込んでいく湊に、伊吹は視線を逸らす。まさか湊の隣は居心地いいから、なんてことは絶対に言わないだろう。伊吹には伊吹なりのちゃんとした理由があるんだと思う。……けれど、その理由が湊には思いつかない。
 じーっと見つめていると、伊吹は観念して口を開いた。
「……そばに居なきゃ、いざと言う時護れないだろ」
「え?」
「怪異に狙われやすいんだよ、お前みたいな奴は」
 意外な答えすぎて、目を見開いた。護る? 伊吹が、湊を?
 祓い屋の仕事に入っているのだろうか。でも、何故自分が狙われるのかは置いといて、伊吹が湊を怪異から護ろうとしてくれることは事実だ。