僕らが紡ぐ、不可思議な話。

「い、いや、やめた方がいいんじゃないかな? 学校に潜入って、先生にバレたらとんでもないことになるし」
「なんだよ、星野は怪異なんか信じない派かあ? ロマンがねえぞ!」
「そういう訳じゃ……」
 むしろ逆だ、と唇を噛む。
 そう、逆なのだ。湊にとって、怪異は“存在しないモノ”ではなく。
 “すぐそばにいる、見えるモノ”なのだ。
「と、とにかく! 学校に潜入は危ないよ。やめとこう」
「星野がそこまで言うなんて珍しいな。はあ、わかったよ〜……」
 高橋が渋々諦めてくれて、ほっと息をつく。
 わざわざ日々避けてるのに、自分から行くなど飛んで火に入る夏の虫だ。
 ……そう。湊は、いわゆる“霊感”を持っている。
 生まれつきだ。物心ついた時には妖や霊など常人には見えないものが見えていて、幼い頃はずいぶん苦労した。
(まあ、見えても、何かをしてくる訳ではないし。慣れちゃえばどうってことないんだよな)
 今も、目をこらせば電信柱などの裏側に、怪異がいるのだろう。
 もう、日常と化してしまった光景。