僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 ──何者だ、お前は……。
「小鳥遊家次男、ただの祓い屋だけど? 一般人誘拐の疑いでお前を探してたんだよ」
 ──小鳥遊家……まさか!
 怪異は「小鳥遊家」という単語に反応した。どうやら、怪異たちには有名な祓い屋のようだ。
 伊吹は、「もう祓っていいよな?」と怪異を押さえつけてる手にさらに力を込める。
 ──やめっ……もうしない! だから今回だけは見逃してくれ……!
 怪異の口調が完全に変わっている。猫を被っていたのだろう。伊吹は、すっと表情を険しくした。
「うっせぇ。お前はもう俺の地雷に触れてるんだよ」
 ──うぁああっ!
 ビリビリっと雷みたいなものが伊吹の身体にまとう。湊は、息を飲み込んで伊吹を見つめた。
 だんだんと怪異の光が小さくなっていき、それと反比例するように伊吹の周りを舞う雷が大きくなっていく。
「俺はお前みたいなのが大っ嫌いだ。だから……消えろ」
 低い落ち着いたトーンで伊吹は話す。その中に静かな怒りが見えて、直接言われていない湊までも背筋が凍った。