僕らが紡ぐ、不可思議な話。

(起きない……。おぶるのはさすがに無理かな……伊吹だったらいける?)
 先に伊吹を探してくるかと、立ち上がると。
 ゾクッ
 急にとてつもない寒気が、湊の身体を襲った。
(寒……何これ……)
 確か昨日もこんなことあったような、となんだかすごく嫌な予感が頭をよぎる。
 すると、湊のいる所から数メートル先にある、出入口のドアの窓からぼんやりとした光が見えた。
(伊吹……?)
 いや、違う。伊吹はそもそも懐中電灯とか持ってないはずだし、そもそも──聞こえるはずの足音が聞こえない。
 浮かんでるモノ? ……人間じゃないモノ?
 吐いた息が生暖かく感じる。手が震え、足が動かない。
 ただ、その光の持ち主がドアを開け屋上へ入ってくるのを見ていることしかできなかった。