僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 自分の兄が死ぬことを想像して、あんな傷ついたような目をしたのかもしれない。
 そういうことだとひとり勝手に納得して、湊はまた開いてる窓を探す作業に戻った。

 もう雨も止み、かれこれ二時間が経った。
 湊は、はあああっと耳を抑えしゃがみこむ。
「どうした」
「いや、ずっと高橋くんの声が一定のペースで聞こえてくるんで……耳がおかしくなるかと」
「なるほど」
 そして今気づいたこと。それは、きっと何らかの力で声は頭に直接語りかけてくるので、耳を抑えてもずっと聞こえてくると言うことだ。
「ちょっと……トイレ行ってきます……」
「あぁ」
 一階から脱出出来ないのは変わりなく、今は下駄箱近くをさまよっている。湊は伊吹から離れトイレへと向かった。
 長時間の探索の疲れの所為か、二人とも忘れていた。湊が“怪異に気に入られている”ということを。
(ふぅ……ずっと立ちっぱなしで疲れた)
 湊は腕をのばしながらトイレへ向かう。別に用を足したい訳ではなく、足が限界だったため、少し休憩したかった。