僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 家に帰ると、当然のように兄の姿は無かった。
 少し寂しいけど、両親が温かく出迎えてくれたから、別にいい。
 ちなみに言っとくと、湊は伊吹──友達の家へお泊まり、ということになっていたらしい。なので、親に怒られるどころか、「もう帰ってきたの?」なんて言われた。
(ふわあ……やっぱ、まだ眠い)
「行ってきます」
 欠伸を噛み殺しながら、家から出る。そして、見事に晴れた空の下、家の前にいるその人の姿に、自然と笑顔になった。
「おはよ、伊吹」
「ん、おはよ」
 もう日常と化していたのに、あの偽物の世界では無かったので、凄く懐かしく、そして嬉しく感じた。湊は伊吹に駆け寄る。
「もう大丈夫なの? 眠くない?」
「眠いけど、仮眠して来たから平気」
「そっか。無理しないでね?」
「そっちもな」
「うん、ありがと」