僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 その先に、ひとりぼっちの人影を見つけた。
(子供? こんな所に……?)
 それに、その子供には湊を襲っている手が見えないらしい。手がゆっくりと子供に迫っていくのに、子供はただ立ち尽くしていた。
(助けないと──!)
 ダッと走って、その子供に駆け寄った。
「君、大丈夫!?」
「……?」
 子供は湊の方を見た。涙の溜まった、紫色の瞳で。
 湊は声を失う。
 サラサラな黒い髪。綺麗な紫色の瞳。七歳ぐらいの外見。
「お兄ちゃん、誰……?」
 幼くて少し高いけど、それでも、聞き慣れた声。