僕らが紡ぐ、不可思議な話。

「え、伊吹って、小鳥遊伊吹くん? 湊と小鳥遊くんって、仲良かった?」
「え──」
 嘘だ。伊吹と湊が仲良いのは、もう全校生徒、承知の事実だと思っていたけれど……。
「というか、小鳥遊くん俺と同じクラスだけど、もう帰っちゃったよ? そんな約束してたの?」
「えと、毎日、一緒に帰って」
(そういえば、今日は家に迎えに来てくれなかったし、昼休みも居なかった)
 たまにそういうこともあるから気にしてなかったけど、帰る時は必ず迎えに来る。なのに、何も言わずに帰るなんて、伊吹らしくない。
「毎日? ……大丈夫、湊? 湊はずっと、俺とふたりで帰ってたでしょ?」
 ごくっと、息を呑んだ。
(違う。伊吹はずっと一緒に、僕とふたりで帰って──)
 ……あれ? それって、兄と、だったっけ。
 そうだよな。だって、伊吹と一緒に帰ってるなら、兄も一緒なはず。でも、三人じゃなく、いつも二人で帰ってたし。
 それに、そもそも。
(小鳥遊伊吹って……誰?)