「早く行こ?」と手を引かれる。微かな違和感と共に、湊の“不可思議な、それでいて幸せな”生活が幕を開けた。
いつも通り、いや──兄と一緒にいつも通りの学校へ登校すると、色々な人に挨拶された。
兄は、やはりというか沢山の人に親しまられているみたいだ。確かに、伊吹と同じぐらい顔が整っていて性格も良いので、人気なのも当然だと感じた。
(それに、何だか、やっぱりこの生活、見覚えがあるような……)
やはり、こちらの方が本物の現実の方、なのだろうか。であれば、実質自分記憶喪失状態なのでは? いやでも、不便はないし……と様々な考えが頭の中を廻る。
階段の所で兄と別れ、自分の教室へと向かう。ドアを開けると、
「あ、湊おっは〜」
と、高橋が明るく挨拶してきた。うん、いつも通りだ、とほっと息をつこうとして、少しの違和感がまた胸を指す。
(高橋くんって、僕のこと名前呼びだったけ……?)
「何で湊呼び……?」
「え、だってお前の兄貴の星野先輩が居るから苗字呼びじゃ紛らわしいじゃん。何今更。記憶喪失か〜?」
けらけらと冗談を言いながら笑う高橋。湊は、ひとりでそっか、と納得する。
いつも通り、いや──兄と一緒にいつも通りの学校へ登校すると、色々な人に挨拶された。
兄は、やはりというか沢山の人に親しまられているみたいだ。確かに、伊吹と同じぐらい顔が整っていて性格も良いので、人気なのも当然だと感じた。
(それに、何だか、やっぱりこの生活、見覚えがあるような……)
やはり、こちらの方が本物の現実の方、なのだろうか。であれば、実質自分記憶喪失状態なのでは? いやでも、不便はないし……と様々な考えが頭の中を廻る。
階段の所で兄と別れ、自分の教室へと向かう。ドアを開けると、
「あ、湊おっは〜」
と、高橋が明るく挨拶してきた。うん、いつも通りだ、とほっと息をつこうとして、少しの違和感がまた胸を指す。
(高橋くんって、僕のこと名前呼びだったけ……?)
「何で湊呼び……?」
「え、だってお前の兄貴の星野先輩が居るから苗字呼びじゃ紛らわしいじゃん。何今更。記憶喪失か〜?」
けらけらと冗談を言いながら笑う高橋。湊は、ひとりでそっか、と納得する。

