僕らが紡ぐ、不可思議な話。

(起こるはずないって、分かってるのにっ……)
 ぽろぽろっと、瞳の中から熱い雫がこぼれ落ちてくる。兄は驚いたように目を見開いた。
「湊? どうかした? 嫌な夢でも見たの?」
「夢……」
(そういえば、僕、何してたんだっけ)
 昨日どうやってベッドに入ったのか思い出せない。というか、今寝てるベッドも、二段ベッドになってるし。当たり前かのように勉強机も二つだ。
「お兄ちゃんって……今、何歳?」
「俺? 俺は十五歳だけど……?」
「十五歳……」
 確かに、亡くなった時より凄く大人っぽくなっている。本来は見れない、いや、亡くならなければ見れていた姿が今目の前にあって、胸が温かくなった。
(都合のいい、夢なのか……? これは)
 でも、ベッドの感触は凄くリアルだ。試しに頬をつねってみると、ちゃんと痛かった。
「え、ちょ、湊何してるの? そんなことしてると腫れるよ?」