僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 漫画でよく見る銃を向けらた人みたいに、両手をあげひらひらと手のひらを見せる。それでもまだ不機嫌な伊吹に、どうやったら機嫌が治るかと対応に悩む。
 とりあえず、バックを手に持ち伊吹の所へ向かった、ら。
 窓に反射した自分と、目が合った。
 ──やっとこっち見た。
「ッ!?」
 やばい。身体が瞬時にそう判断して、身を引く。
(鏡だけじゃなくて、反射するもの全部対象内なの……!?)
 そんなの聞いてない。逃げ切れず、窓から出てきた手に胸ぐらを掴まれた。
「は? 湊──ッ」
『次引きずられたら抵抗できない』
 数時間前の伊吹の言葉が、頭をこだまする。
 そう言っていた通り、ミサンガをつけた右手はバチバチと反応を起こしながらも、虚しく窓の中に飲み込まれて行った。
 伊吹が慌てて湊を掴もうと手を伸ばしてくれる。湊も、飲み込まれてない左手を必死に彼の方向へ伸ばす。
 けれど、あと数センチで届くというところで、すかっと空振りした。
 伊吹の目の色が、絶望したような、そんな固い色に変わる。
 その表情を最後に、湊は教室から──否、この世から姿を消した。