僕らが紡ぐ、不可思議な話。

「い、いやいや、どうしてサボるという思考にっ?」
「湊が授業受けてる間、俺が湊の傍にずっと居ればいいだろ」
「色んな意味で先生と生徒大混乱だから! 絶対ダメ!」
「でも」と伊吹は納得していない様子。このまま言い合っていると授業も始まりそうだし、湊は何とか伊吹を納得させる言葉を探す。
「と、とにかく、とりあえず放課後まで鏡を見なければいいんでしょ? トイレならさっき行ったし、教室は鏡ないし! だから、大丈夫! ほら、早く行かないと授業遅刻するから、ばいばい!」
「あ、おいっ」
 結構強引に伊吹を振り切って、教室へダッシュする。
(怒ってるかなあ……でも、ごめんっ、授業をサボらせる訳にもいかないし、僕も授業に遅刻する訳にはいかないっ)
 授業始まるぎりぎりに滑り込み、何とか席に戻ると、「長かったな」と高橋に笑われて、凄く恥ずかしかった。

 *

 無事全ての授業が終わり、安堵の息をつく。「湊」と呼ばれて、恐る恐るドアの方を見ると、思った通りむすっと不機嫌な伊吹が居た。
(やっぱり、怒ってるよなあ……)
「ご、ごめんって。でも、この通り、なんも無かったよ! だいじょーぶ!」