僕らが紡ぐ、不可思議な話。

「伊吹。遅かったね」
「授業が長引いた」
「そか」
 もう湊を護る理由は“勘違い”だったと判明したから、湊の傍にいる必要なんてないはずなのに。なのに、伊吹の態度は全く変わらない。寧ろ、前より砕けた態度な気がする。
 伊吹は当たり前の用に湊の隣の席の椅子に腰をかけて(一応許可は取ってる)、購買で買ったパンを湊のテーブルを置く。
「い、伊吹先輩、こんちわ……」
「ん」
「あ、伊吹、今日はメロンパンなんだ。美味しそ〜」
「あげねーぞ」
「ちょうだいとは言ってないよっ」
 そんな他愛もない会話をしながら、ちゃくちゃくと昼休みが過ぎていく。昼休みがもうちょっとで終わる、と言うところで、湊は席を立った。