僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 そしてそれより、申し訳なさが勝つ。勘違いの所為で、伊吹の時間を大幅に削ってしまうと思うと……大きくため息を着いた。
「はあああ、ほんとごめんガチでごめん……」
「……は? なんでお前が謝る」
「いや、落ち着いて聞いてね? 怒んないでね? あ、いや、怒らないのは無理かも……怒っていーよ……」
 伊吹は首を傾げる。湊は、息を吸うと「勘違いだ」ということを全て伊吹に話した。
 聞き終わった伊吹は、「……マジかよ」とこれ以上ないってほど目を見開いている。
「マジなんですよねー……。他人の空似って恐ろしい……」
「…………そうか」
 伊吹が意外と冷静だ。てっきり怒ると思ったのに。
 目を瞬いて伊吹の顔を覗き込む。と、何故か伊吹の顔が──嬉しそうに見えて、もっと目を見開いた。
 笑っている訳でもないけど、無表情だけれど、確かに瞳に、温かい色が宿っていた。