僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 笑顔を向けてもらった子供は、ぱあああっと顔を輝かせる。
「やっぱお兄ちゃん、絵本の王子さまみたい!」
「……そうか?」
「うん。王子さま、ばいばーい!」
「ありがとうございました……!」
 遠がっていく親子に、手を振り返してやる伊吹。
 湊はふぅっと息をついて、自分も立ち上がろうとした、のに。
(いっ)
 右足がズキンと痛んだ。さっき捻ってしまったみたいだ。
(やっちゃった……。けど、伊吹が消えるなんてことは、無事回避、できたんだよね?)
 そう思うと、凄く凄く、力が抜けて。
「……湊? 湊っ!?」
 立ち上がろうとしたはずが、眠気と達成感に襲われ、湊は眠りの世界に引きずり込まれてしまった。

 *

『伊吹さんを呪ったの、俺なんです! 本当にごめんなさい!』
 湊が気絶したあと、今回の事件の犯人、もとい高橋が、自白してきた。