僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 小さい子のため強く当たる訳にも行かず、伊吹は複雑な表情をしていた。その元気そうな姿に、ほっと安心する。
(でも、まだ油断はしちゃいけない、か……。一旦、高橋くんを風真さんに見てもらって、呪いが解けるか試してもらわないと)
 そう思い学校の方を見上げると、今日一番の風が湊を襲った。
「わっ」
 一瞬の、出来事だった。
 ゲートを支える柱に偶然当たったベビーカー。とてつもない突風。それらの偶然が重なり、ゲートが倒れる先にいるのは……子供の相手をしている、伊吹。
(──ッ)
 まるで、スローモーションみたいだった。
 風真は、反射的にゲートの倒れる先にいる一般人を外へ押し出す。自分の弟がゲートが倒れるまでに脱出できる速さを持っていることを確信していたから、弟ではなく一般人を優先した。
 ──でも、こういう時、優しい心の持ち主がどういう動きをするのかを湊は知っている。