僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 ここから、門までは結構近い……! 猛ダッシュで門の方へ向かうと、カラフルに彩られた「文化祭」と描かれたゲートが見え、その下の人に……無事伊吹と、風真を見つけた。
「伊吹! 風真さん!」
「湊くん。さっきの電話の件なんだけど、これ」
「?? ……ベビーカー、ですか?」
 風真が持っていたのは、確かにベビーカーだった。予想外のモノに、目を瞬く。
「この中学校の前、少し坂になってるじゃん? 無人のベビーカーがそこから凄いスピードで下ってきて、ゲートの柱にぶつかってね。でも、伊吹は無事だし、何より本当にぶつかっても……死にはしないよね?」
「どういうこと、でしょうか」
 湊が動いたおかげで未来が変わった? それとも、そもそも呪いにそんな大きな力がなかった、とか。
「お兄ちゃん、かっこい〜! 王子さまみたい!」
 きゃあっと高い声が聞こえた方を見ると、伊吹が五歳ぐらいの女の子に捕まっていた。王子さまのような顔に王子さまのような格好、確かに幼稚園児などには本物の王子さまのように見える。