僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 何とか止めないと。回避しないと。伊吹を、見つけないと。
(今度は、僕が護らないと!)
 もう一階で見えていた不穏なオーラは完全に消えているし、湊が坂谷と話している間にとっくに祓ったのであろう。ならば、外か? こういう時にスマホが無いのがもどかしい。
 上履きから外靴へ履き替え、外へと出る。先程より強い風が湊に当たり、砂が目に入らないようにしながら周りを見渡した。
「ほ、星野!」
 高橋が慌てて湊を追いかけてきた。湊は、中の方を指差す。
「高橋くんは中で伊吹を探して。僕は外を探してみる」
「分かった。ごめ──」
「いいから! 早くしないと」
「……うん」
(手遅れになってからじゃ、僕はきっと高橋くんを許せない)
 中へと戻っていく高橋を見て、そう感じた。
 手遅れにさせてはいけない。絶対に、伊吹を見つける。
 ……けれど、この人数の中で短時間で見つけ出せるとは思わない。どうすれば、と周りを見渡して。