僕らが紡ぐ、不可思議な話。

(高橋くん、大丈夫かな……)
 胸の中で騒いでいる嫌な予感をかき消しながら、湊はただただ空を見上げた。

 やっぱり雨降って来ちゃったなあと、放課後またもやひとりの湊は窓の外を眺める。
 当たり前だがいつも運動部などで賑わっているグラウンドは、シーンと静まっている。
 余談だが、湊は“オカルト研究部”の部員だ。どこからそんな噂を聞いたのが知らないが、湊にうっすらと霊感があるということを知った先輩たちに強制的に入れさせられた。
 と言っても、活動自体は他の部員はちょくちょく集まっているらしいが、湊は万が一本当の霊を呼び出してしまった用に夏の肝試しに召喚されるだけ。夏も過ぎ秋に染まってきたこの頃は、先輩たちに振り回されず平和に学校生活を過ごしている。
(今のところ本物の心霊スポットに当たったことないから大丈夫だったけど、来年もやるのかなあ、肝試し……)
 うっすらどころかばっちりそういうモノが見えている湊は、本物の心霊スポットに当たったら常人より怖さは二倍、いや何倍にも膨れ上がる。だって、“どこから襲われるか”の怖さじゃなく、もうそこに居るのが見えているから“いつ襲われるんだろう”の怖さなのだ。
(先輩たちは見えないからなあ……僕も、見えない方の人間に生まれたかった)
 はあ、とため息をつきながら廊下を歩く。雨によって薄暗い廊下は、いつもより不気味に感じた。オカルト研究部のことを考えていたからか、なんだか出そうだ。そういうモノが。
 今はもう皆帰っちゃって校舎は静まってるし……高橋のことで考え込んでいて終礼がとっくに終わっていることに気づかなかった自分を叱りたかった。